1,000坪の土地をまとめて売るという義務は地主さんにはない。

従来、土地、建物などの譲渡所得は、(事業所得、給与所得など)他の所得と合算し、累進税率を適用して所得税計算をしていた。

土地を大量に譲渡したら税負担が増えるから、地主の切り売り(100坪ずつ10年で売る)、売り惜しみ(売買価格に「税金分」と称して実際の税額以上の上乗せ交渉)が起きていた。

そこで、昭和44(1969)年の税制改正で、個人の譲渡所得に対する分離課税制度(及び長期譲渡所得の概算取得費控除制度)が創設される。

切り売りしても一度に大量に売っても結果的に納める税金の総額は変わらないようになり、土地供給が促進された。

経済人は、その制度の枠内で一番有利な行動を選ぶ。