YTAメモ《語録》細井隆好編

★ 永六輔氏の語録(岩波新書)抜粋はいかがだったでしょうか。今回は私、細井がこれまでに教えていただいた印象に残っている「ことば」を紹介します。すでにYTAメモで紹介したことばからも再録しましたが、永氏ほどたくさんにはなりません。改めて永氏のアンテナの感度の良さに感心しています。誰からお伺いしたかはわかっていますが、そのことを明記しても読まれる方になじみがないと思われますので「無名人語録」とさせていただきます。お教えいただいた方にはこの場を借りてお礼申し上げます。なお、本や講演テ-プなど出典のわかっているものは読者の便を図るため出典を明記しておきます(出典があるものは*をつけておきます)。また、本の中で是非紹介したい話を語録風にまとめたものがあります。それらについても著書を直接ご覧いただくことをお薦めします。

★◆東京と大阪と名古屋の財界人がいっしょに食事をしまして、お勘定をするときになったら3人ともそわそわする。東京の財界人はどうやって二人に気づかれないようにお勘定を済ませようかを考えてそわそわする。大阪の財界人は自分の食べた分がいくらになるか計算しようとしてそわそわする。名古屋の財界人はなんて言ってお礼を言うか考えてそわそわする。*①

★◆宇都宮にある会社なんですが、「一に売り上げ、二に健康」という社是を制定していまして、毎朝朝礼で全社員が唱和しているんだそうです。業績がよくて儲かってるそうです。でもちょっと怖いですね。*②

★◆負けたままの人はキズのなめ合いになって進歩がないからつきあいたくない。勝っている人と競争をしていきたい。

★◆マルチ商法はいけません。法律で禁止されています。訪問販売法に連鎖販売の定義があるんですが、その要件の一つでも欠けていれば合法なんです。だからマルチまがいの商法はなくなりません。

★◆(相場の)キワモノは最初に飛びつくのがコツ。そして、他が買っているうちに売り抜ける。相場にはM氏のような動物的カンが必要で、アナリストは絶対相場を張ってはいけない。必ず天井をつかむ。やっぱり正しかったと思った頃が天井になる。*③

★◆うちは仲介専門の不動産屋だったんです。バブルの時に、せっかく売り先を見つけてきたのに、倍返しをしても儲かる値段で買っちゃう同業者にお客を何回か横どりされましてね。それでうちも買い取りに切りかえちゃって、一時はもうかったんですがバブルがはじけてハマっちゃいました。

★◆あなた、その髪切れます?切れるんだったら面接します。切れないんだったら、どっかほかのコンビニを探してください。いいっていうお店もあると思いますから。
  ☆アルバイトを募集していたコンビニの店長が応募してきた若者に言
   ったことば。

★◆君が30分遅れたおかげで僕が定時に帰れなかったんだぞ!次からは時間どおりちゃんと来い!
  ☆上記店長がコンビニの仕事を覚えるため、ほかの店で実地研修をし
   ていたときに交代のアルバイトに言ったことば。

★◆お仕事に没頭しているところへセールスにうかがったら「ごめんください」と声をかけてから頭を下げてください。声をかけながら頭を下げると相手がこちらへ振り向いたときに頭を下げたのが見えません。
  ☆ジェックの営業マン訓練で講師が実際にやって見せてくれた。声を
   かけられてから振り向くとちょうど頭を深々と下げているのが目に
   とまる。同時にすると下げた頭が戻ったところが目にとまり頭を下
   げたことが相手に伝わらない。

★◆接待ゴルフと言いますがゴルフを一緒にやるだけだったら「お遊び」です。必ず接待するお客様のご自宅までお迎えにあがる。そして、ゴルフ場へ着くまでの時間が勝負です。ゴルフ場に着いちゃったら仕事の話ばっかりもできないし、帰りは疲れてお休みになっているのを横目にハンドルを握る。仕事の話が気兼ねなくできるのは「行き」だけです。間違っても一緒に回る部下に任せちゃいけません。
  ☆だから「昨日は接待で一時までつきあわされちゃってねえ。タクシ
   ーで帰って床に就いたのが二時なもんだから眠くて眠くて。君、ゴ
   ルフ場に着いたら起こしてくれる」なんて言われたら目もあてられ
   ない。

★◆○○さんからは大量にご注文をいただくのでウチがメ-カ-から仕入れる値段よりも安い値段で納めているんです。その分メ-カ-が仕入れ値引きで補填してくれるんですが、ある時○○へ納めた商品をバックして他へ売ったらもっと儲かることに気づいてやったんです。そしたら、悪銭身につかずで、ほかで○千万円ひっかかっちゃいまして、もう、ウチがつぶれるかと思いました。

★◆寄らば大樹の陰って言いますけどね、最近は突然上にあった枝が枝打ちされてなくなってしまうことがあるから安心していられません。

★◆下請けは大変なんです。得意先の社長さんのお妾さん宅まで毎朝ミソ汁を作って運んだもんです。

★◆毎晩、だあれもいない、まっくらな家に帰るんだぞ。身から出たサビとはいえ、大変なんだから。
  ☆浮気がばれて奥さんが子供と一緒に家を出ていったしまった直後の
   ことば。

★◆コ-ヒ-一杯で延々2時間も販売会議をやるからハラも減るし、文句がいっぱい出るんです。途中でメシでも出してごらんよ。メシといっしょにグチも飲み込んじゃうから。

★◆ウチの本業は○○なんですが、なかなか仕事がなくってね。で、社員を遊ばせておくよりはいいだろうと、関連する仕事をやってみたんです。ウチの技術が生かせるところもあるし、見よう見まねでできるんじゃないかと思いましてね。ところがいざやってみると、オシャカを作って仕事のやり直しはさせられるは、納期はどんどん遅れていくは、大赤字となって散々な目にあいました。その間、本業の仕事があってもできなかったわけでダブルで損しました。

★◆もう11時半だからお昼から出直してほしいって?冗談じゃない。あなた方は「もう11時半」かもしれないが、我々は「まだ11時半」なんだ。もう一仕事ぐらいしている!
  ☆税理士会が確定申告期に協力している「無料税務相談」では11時半
   を過ぎて相談を待っている納税者がいるとお昼から出直してもらう
   よう受付の人が頼んでいる。それより前に相談が終了していれば「
   一仕事」できるかもしれないがそうでなければ出直してもらうしか
   ない。

★◆あなたに消費税を語る資格はない!
  ☆平成元年、消費税が導入されたとき、新しい税金で混乱や勘違いが
   でることが予想され、半年間の「弾力的な運用」が認められた。事
   前に提出すべき届出書の後出しを認めたり、計算方法が多少違って
   いてもそれを認めたり、調査も差し控えるなど、消費税の仕組みが
   定着することに重点が置かれていた(それでも消費税を導入した自
   民党は参議院選挙で惨敗している)。このときは税務署職員も消費税
   を勉強していたときで多少のことは大目に見るしかなかったという
   事情もあった。しばらくして税務調査が行われるようになり、「弾
   力的運用」期間中の誤りまで直すよう指摘を受けたことがある。そ
   の調査官に「弾力的運用」の趣旨や当時の事情を説明していたら「
   そんなことは知らない」と言われ、思わず出たのが上記発言である。

★◆粗利益率ですか?税務署に申告したとおりです。
  ☆某社の調査で社長が調査官の質問に答えたときのことば。こういう
   どうとでも受け取れる(申し開きのできる)言い回しはずるいが便利
   である。個人の青色申告の届け出で専従者(家族労働者)給与の賞与
   支給基準を「世間並み」と書いたら調査官から○ヶ月と具体的に書
   くよう言われたことがある。

★◆創業者夫妻が働いているかって?そこは聖域だからお答えできません。

★◆オーナー特権だから従業員ふぜいがとやかく言えることじゃありません。

★◆お昼の弁当ですか?仕事をしていてもいなくてもお昼は食べるんだから
 経費になりません。
  ☆昼食は給与収入を得るための労働提供中に与えられる休息とエネル
   ギー補給の時間(手段)であるが上記論理を楯に認めていない。

★◆天ぷらと納豆とトロロそばにウナギの蒲焼きが食べたいから注文してください。なに?無いって!さっき、イスタンブールでも日本にいても晩ご飯は同じように食べるんだから、お客様のご負担でお願いしますって言ったじゃないか。
  ☆海外視察に出かけたお客さんが乗り継ぎのイスタンブールでオーバ
   ーブッキングで足止めされ、宿泊代は旅行社が負担したものの、晩
   ご飯代は「日本にいても同じようにかかるのだからお客様各自のご
   負担でお願いします」と言われたときのことば。

★◆わかった。税務署の言うとおり修正申告するワ。だけど先生、ゼニない
 よ。

 お金で済むことじゃないか、命まで取るとは言えせん。
  ☆そう言いながら資金繰りが厳しくなると給料から天引きする税金や
   社会保険などを滞納していた。下請けに払う買掛金は事業存続の命
   取りになるので役員の給料を遅らしてでもきちんと払っていた。

★◆だって、ほしかったんだモン。
  ☆儲かったからといって経営者である役員に賞与を払っても、それは
   利益調節として法人税を計算するときの損金とならない。払っても
   税金が安くなるわけではないので払わないよう指導しているのに賞
   与を払っていた。「どうして賞与を払ったんですか」と詰問したと
   きの回答が上記である。リクツではなく感情的にこうしたいと言わ
   れたらそれ以上説得のしようがない。税法上のペナルティがあって
   もそれ以上の売り上げがあれば使途不明金はなくならないし、経費
   の否認があるからと言って交際費がなくなるわけでもない。それ以
   来、本人が納得して決めた結論については、あまりくどく言わない
   ようになった。

★◆腕を組んだり足を組んだりするのは「クローズドマインド」のボディメ
 ッセージです。こちらに心を開いていません。
  ☆ライフダイナミックスのセミナーで高橋弘二氏に教えていただいた
   ことば。相手が腕組みをしていたり、自分が無意識のうちに腕組み
   をしているのに気づくとこの指摘を思い出しています。

★◆あなたが年のわりに若く見えるのは責任をとっていないからだ。
   ☆同じくライフダイナミックスで別のトレーナーがある受講生に対
    していったことば。実際の年齢より若々しいというのは「ほめこと
    ば」であるがこういう逆説的な見方もある、と自戒のことばとし
    て受け止めている。

★◆○○ちゃんを役員にしたらどうか、と言う提案なんですが、それはかまわないんだけれど。○○ちゃん、経営者の一員になるってことはこれまでどおり給料日にきちんと給料がもらえなくなることもある、ということだけは覚悟しておいてね。

★◆親から代表権を譲られて専務から社長になるということは、お金が足りなくなったら先ず自分がお金を出す、て言うことだからね。今までみたいに親の金をあてにしちゃあいけない、ということだからね。
  ☆経営者になる人にとって一番わかりやすい責任が資金繰りかもしれ
   ない。

★勤務税理士やってる友人なんですが、親父からもらった源泉徴収票をみてぼやくんですよ。俺はそんなにもらってないって。
  ☆親父が子供の給料から強制的に貯金をしていたところがあるが、そ
   うでもしないとたまらないのが預貯金かもしれない。

★◆貧乏人は客じゃないから相手にせん。
☆某税理士のことば。ここまではっきり言う人は少ないが事業をしている
 人のホンネでもある。

★◆ウチではお客様がどういう人生設計を持っておられるか、をお伺いしそれに応えるにはをどうしたらいいのかをその道のエキスパートと一緒にご提案させていただいております。銀行、生保、損保、ハウスメーカー、弁護士、司法書士等々。見方を変えるとよってたかって喰いものにしているように見えますが・・・。

★◆「資格」とかけて「足の裏についた飯粒」と解く。こころは「取らないと気になる。取っても食えない」*④
  ☆「資格」を「税理士」と書き直して研修会の呼び込み文として使っ
   たら「何という情けない税理士だ」と長老の税理士からおしかりを
   受けた。が、印象に残ったとみえて時々引き合いに出しながらいい
   アドバイスをいただいた。故人となられてしまったがこの謎かけの
   おかげでいいご縁をいただいた。

★◆一歩先はよくわかる。二歩先になるとわからなくなる。三歩先になるとみんながおこりだす。*⑤

☆人より一歩だけ進んだ話はナルホド、とみんなが納得する。二歩先の話
 になると、どうしてそうなるのか(考えるのか)理解できない(一歩目
 をキチンと理解しないとその先のことを論理的に理解することは難しい
 )。三歩先のことを話すと「そんなことあるか!」と話をまともに聞いて
 もらえなくなる。

★◆世の中から病気がなくなったら医者はいりません。モメ事がなければ弁護士はいらないし、納税者が税金のことを苦にしなくなったら税理士はいりません。

★◆一日の仕事がすんで、家に帰ってテレビを見ながら一杯やっているときが一番の楽しみだ。

★◆Mさんが話していた「失敗の本質」という本は僕も読んだ。僕はそれほ
ど勉強ができないのでよくわからないが、少しは覚えている。環境に適応しすぎたものは、ほんの少し環境が変わるだけで滅びる。僕はばかで少しよかったかもしれない。でもまじめに普通に生きている人達が可哀相だと思う。でも、これだけ多くの人々が同じ価値観で生きているのは僕は気持ち悪い。でも、みんな頑張っているのだしみんな家族を愛し友達と遊ぶよい人達だ。僕が駄目になってもそれは冗談のようなものだけれど、普通の人が駄目になるのはかわいそうだ。何とかしなければならないと思う。みんなで新しくなる時代を楽しく生きたい。でもみんな欲しいものは家や、車や、お金がからむものばかりで、夢がない。「家が欲しい」こんなちっぽけな夢のために、みんな今まで生きてきたのだとしたら、歴史は冗談でつくられてきたのかもしれない。(長場心治/原文は殆ど平仮名で書かれていましたが漢字に書換えました)。*⑥
☆環境に適応しすぎたもの、というのは恐竜のことでわずか数度の温度変
 化で滅んだといわれる。たぶん多くの人が物質的、経済的には平仮名で
 手紙を書いた長場さんより豊かな生活をしていると思います。しかし、
 普通に生きている人達が可哀相だ、お金に換算して幸せをはかる生き方
 には夢がない、と感じられる長場さんより精神的に豊かな生き方をして
 いる人がはたしてどれぐらいいるでしょうか。

★◆カンボジアに行って、確かに初めは物がないということに戸惑った。日本にあってカンボジアにないものがたくさんあった。けれどしばらく暮らしてみたら、そんな物はなくてもすませられる物ばっかりだった。
 南北問題、南北問題といってみんな一生懸命に南の貧困を救えといっている。ということは北のライフスタイルをもてといっているんだけど、実は北のライフスタイルそのものが一番危険なんだ、ということにどうして北側の人達は気がつかないのだろうか。日本では一日に地球を25周するトイレットペ-パ-を使っているが、中国の12億の人達が同じように使ったらどうなるか。日本の食糧自給率は47%、半分以上輸入に頼っているが、南の人達がそうしたらどうなるのか。北側は、自分達は今のライフスタイルを守りながら資源の枯渇を問題にしている。だから南北問題を解決するには、南が北のライフスタイルをもつのではなくて、北が南のライフスタイルをもつことができるかどうかにかかっているのじゃないかと、僕は考えるようになった。*⑦

★◆女性を口説くときは「帰る?それとも泊まる?」と聞くことです。決して「泊まる?それとも帰る?」と言ってはいけません。*⑧
  ☆女性は「帰る?」と聞かれるとある種の安心感とともに軽い失望を
   味わうらしい。どうやら無意識のうちに誘われることを期待してい
   たのに、それを裏切られたと思うらしい。その失望感の後で「泊ま
   る?」と聞かれると失望感が消え去り、たとえ答えなくても「沈黙
   」がそのままOKの意志表示になる。逆に考えてみるとさらによく
   女性心理がわかる。最初に「泊まる?」と言われるとギクリとして
   警戒心が先にたつ。つぎに「帰る?」と言われて黙っていれば「帰
   る」という返事になり、それをくつがえして「泊まりたい」とは女
   性の立場からは言いにくい。

★◆あなたを幸せにする自信はありませんが、ボクが幸せになる自信はあります。
  ☆ビックコミックオリジナル連載中の「釣りバカ日誌」の主人公浜崎
   伝助氏が奥さんのみち子さんにプロポーズしたときのことば。*⑨

★◆会社の法則より*⑩
◇会社をニワトリにたとえると、アメリカでは体が小さくて卵をたくさん産むニワトリが高く評価される。日本では、卵を産んでも産まなくても、体が大きくて、たくさん食べて、長生きをして、たくさん糞を出すニワトリが高く評価される。また鳴き声(有名度)や羽の美しさ(立派な本社ビル)も評価される。

◇成功した会社の創業者は神様であり、その息子は神様の子であり、三代目はただの人であり、それ以降の子孫は変な人、邪魔な人となる。

◇会社では人が増えることは経営者の勲章になる。企業では人を減らすことに成功した経営者が成功する。

◇一度社長や会長、すなわち殿様を経験した人は、その後も秘書・個室・車つきの生活から離れることができない。

◇会社は儲けれは儲けるほど税金というペナルティを科される。

◇税金を取られるくらいなら、そのカネを使って自分たちが飲食した方がよい。会社のカネは株主のカネではなく、自分たちのカネである。

◇会社の株主は他の会社か銀行である。個人の株主は存在しないものと仮定してよい。

◇会社の株主は他の会社であるから、互いに配当は少なくしておいた方がよい。自分だけが頑張って高配当を出すと、他の会社は迷惑する。

◇会社のエラさは、接待という物差しで決まる。接待されることが多く、接待することが少ない会社ほどエライ会社である。

◇官はすべての会社よりもエライ。なぜなら、官は会社に接待されるが、官が会社を接待することは皆無だからである。

◇会社では他人と違ったことをしてはいけない。他人よりもよいことをすれば足を引っ張られる。見劣りすることをすればもちろん評価を下げられる。他人のしない失策をすれば会社にいられなくなる。

◇大学ではレポートを提出せよといわれれば提出しなければならない。会社でもアイディアを出せといわれれば出さなければならない。出せといわれないのに出すのは「奇行」と見なされる。

◇会社では、個性が強いことは体臭が強いことと同じに扱われる。その会社のにおいが身につくのはいいが、それ以外のにおいがあってはならない。

◇サラリーマンの給料は、労働サービスや仕事の対価ではなく、「身柄拘束料」であり、「いやなことをさせられる苦痛の慰謝料」である。

◇会社では上役のおごりという「強制残業」が行われる。下の者にとっては、酒食という現物給与と引き換えに時間を取り上げられる。

◇サラリーマンは会社で暮らし、夜、それも多くは深夜に家庭に出張する。その出張先での仕事は、翌日働く体力と気力を回復することである。

◇休暇は会社の外に出る出張にあたるから、勝手に長期休暇をとることはできない。

◇会社には、左遷、窓際勤務、肩叩きなどのいじめがある。

◇終身雇用とは、定年まで会社にいられるという保障ではなく、定年を限度とする「無期雇用」のことである。それは、死ぬまで刑務所にいられる終身懲役ではなくて、いつ刑務所から追い出されるかわからない無期懲役にあたる。つまり、これは会社が辞めさせたい時にいつでも辞めさせられる制度にほかならない。

◇年功序列型の給料は、若くてよく働いている間は安く、年をとってあまり働けなくなった時に高い。

◇若に薄く、老に厚い報酬は「従業員主権」の産物である。株主のために利潤をあげようとする企業はこんなことをしない。

★◆ばっばんとデンキンタマより*⑪
◇自分中心の考えはあぶないです。石川県である先生の子宮ガンについての講演を聴きました。その中で先生は「子宮ガンというのは子宮の入り口にできやすい時が8割から9割です。ですから定期検査にいってもらいたい。ガンのなかで定期検査で治る確率が高いのは子宮ガンだ。子宮の入り口にできますからね。半年に一回みなさん定期検査をお願いします。」と。講演会後一人の女性が質問にきた。「ちょっとわからないところがあったので教えてください。先生は子宮ガンはどこにできやすいとおっしゃいました?」「子宮の入り口です」「あら、先生あそこは入り口ですか?私は出口だと思ってたんですけど」このときに男性の二人ははっとしましたよ。「そうか、男の一方的な考えなんだなァ」と。みんな男は入り口だ、入り口だと思っていますよ。でも、女性の人の考えからすれば出口でしょう。この女性のえらかったのは男の考えにも理解を示して「先生これからは子宮の出入り口にガンができやすいとおっしゃった方がわかりやすいと思います。」とアドバイスしたことです。

◇子宮のなかで発射された何億という精子はすべて卵子という一つの目標に向かって一斉に泳いでいます。先頭をおよいでいる精子が卵子と合体するかというと、そうではない。99.9%死んでいく。何故かというと卵子にはうすーい膜があるんです。先頭をおよいでいた精子、つまり早くおよげる精子というのは別な言い方をしたらエリートだ。このエリート精子はほとんどその卵子のうすい膜にぶち当たって絶滅して、何百、何千、何億という精子がその卵子のうすい膜を突っついて、突っついて、突っついて、あとからゆっくりと「のほほーん」とおよいできたのが「がばーっ」と合体するんだと、寺川先生はおっしゃいましたよ。人間にはエリートは一人もいない。なぜならエリートたちは、この初期の段階で絶滅をしていると。人間はすべて落ちこぼれなんだと。元からして縁としかとらえようがないとおっしゃってます。

◇人の悪口は言わない方がいいですよ。言葉は言霊を持っていますからねェ。聞こえないだろうと思って悪口を言ってますとね、三倍になって返ってきますよ。その証拠に「あいつのせいで」と人に向かって指をさすもんじゃないですよ。さしてる指は確かに一本さしているんです。でもよーく手を見てみれば三本の指が私をさし返しています。

◆昔は「チチキトク スグカエレ」という電報でみんな集まった。親戚全員が集まって二、三日すると不思議に死んだものだ。子供たちの顔を眺めて「みんなよくきてくれた。ありがとう。仲良く暮らすんだよ」と話して、その深夜にわかに容態が悪化し、未明に昇天となっていた。子供たちはみんな貧乏で泊まるところも金もない。だから四日も五日も危篤状態が続くと非常に困った。出直すとなると金がかかる。だから、医者は頃合いを見計らって死なせていた。深夜、医者を呼びに行くとあわてる様子もなく悠々と出かけてくる。まるでなにもかも知っているようだった・・・とはよく聞いた話である。*⑫
  ☆ライオンやハイエナは年とって走れなくなったらエサが捕れないか
   ら餓死するしかない。しばらくは苦しいがエンドルフィンが出てう
   つらうつらしていい気持ちになって、そのまま死んでいける。これ
   が自然の摂理でライオンでも人間でも同じである。

★*①春風亭小朝「ジョークは世界を救う」〈男と女〉編(新潮カセット)より
*②本郷孔洋(公認会計士・税理士)「会計事務所の収益力を高める」
      PRO研1999/6セミナ-テ-プ
*③藤原直哉(牛之宮ウィ-クリ-主幹)
      1994/12セミナ-テ-プ
*④天野隆(公認会計士・税理士)FPステーション代表のセミナ-テ-プによく出てくる      謎かけ。
*⑤牧内操(税理士)
      PRO研1995/1セミナ-テ-プより)
*⑥長場心治(読者からの便り紹介コーナーより)
      牛之宮ウィークリー猫の手通信95年3月6日号
*⑦中田武仁「息子への手紙」朝日新聞社より
      p38-39:厚仁氏の父との対話での発言
*⑧多湖輝著「仕事の心理法則」(ごま書房刊)に出てくる話で、元ネタはトークス・カセット・マガジン1997/4月号カセットテ-プである
*⑨やまさき十三作、北見けんいち画(小学館)
*⑩竹内靖雄著「日本」の終わり:日本経済新聞社p254-p259
*⑪三遊亭歌之介(落語家)の講演テ-プより
*⑫日下公人「悪魔の予言」(講談社P191-192)