20世紀を生き抜くための「心」・「技」・「体」その27

はじめに
「技」返済期間が長期間にわたる債権回収にはステップ金利率という考え方を
「体」赤峰勝人「ニンジンから宇宙へ」(1996.11.1第1版、1997.8.23第2版第4刷発行:・スパイク刊)より

「はじめに」

★ 最近「こんな税金ならよろこんで払います」というタイトルの本を読みました。著者は田中潤という昭和34年生まれの税理士(事務所は神奈川県鎌倉市)です。平成8年9月20日に第1刷りがオーエス出版より出ています(本体1262円+税)。誰もがとられるもの、うれしくないものと思われている税金を納税者が納得して納めてもらえるような税制に変えていこうという提言集です。例えば「はじめに」で、税金は払うべきでないもの、と国民が思い込んでしまったら大変なことになる。また、納税の意義と税金を納めるという行為に対して無頓着すぎる。例えば高額所得者番付がニュースで報道されるときのトーンは「誰が儲けているか」であって「誰が国に貢献したか」というような配慮に欠けていると指摘しています。私も名古屋西税務署の税務モニター(任期2年)を務めた時に、税務署は納税者の税金の納付に対してねぎらいの一言をかけてほしいという発言をしたことがあります。ハンバーガー屋さんで商品をたのみお金を払うと店員さんが「ありがとうございました」と笑顔で応えてくれます。お互いギブアンドテイク、商品とお金の交換をするわけだからお礼など言わなくてもかまわない、といえばその通りですが、そのことで取引を潤滑にしています。マクドナルドはスマイル0円と価格表に書き込んでいます。せめて納付書に「納税ご苦労さまです」とか「納付いただいた税金は大切に使わせていただきます」とか書くべきではないか、というような発言でした。納税は国民の義務だから払うのが当たり前、納付書はぎりぎりのスペースでほかの記載をしようにもできない、といった紋切り型の回答しか返ってこなかったように思います。また、田中氏は行政は税金を徴収する一方で国民が税金に対して関心を持つことを嫌うようであると述べています。税務署も税理士も納税の義務やどういう税金を払わなければいけないかという負担の中身の説明はしますが「どうして負担の必要があるのか」という問いに対しては税法に書いてある、その税法は国民が選挙で選んだ国会議員が決めたことだからという言い方をする以外に納税者を説得できません。もっと、税金はこういうことに使うんですよ、だから国民のみなさん協力(納税)してください、といえるような仕組み(税制)になってほしいと私も思います。田中氏は本書の中で新たな税の負担をもたせたり、軽くしたりしながらどういう社会になってほしいか具体的な提言をしていきます。実現の難しいものやその提言が負担の公平といえるのか私の価値観とは違うな、というものもありますが「よろこんで払いたくなる税金」制度になってほしいと思います。

「技」返済期間が長期間にわたる債権回収にはステップ金利率という考え方を

★a.バブル崩壊にともない発生した大量の不良債権の償却のため、銀行等の金融機関はほとんど「0」にちかい金利しか払わないで預金を集めて貸し出し、利ざやを稼いで高収益をあげている。さらに、最近は手形借入の借り替えに応じない貸し渋り現象もおきている。

★b.借入金には一時借りである手形借入と分割返済である証書借入がある。前者は返済期限が3カ月以内と短いため利率は変わらないが、返済期間の長い証書借入は市場金利(公定歩合)の変動に連動する変動金利の方が多い(住宅ローンのように固定金利が多いものもある)。

★c.証書借入の返済方法には元金均等払いと元利均等払いがある。前者は返済元金が同じであるもの、後者は元金と利息を合わせた返済合計額が同じであるものである。住宅ローンでは返済の負担を考えて通常は元利均等払いである。ただし、元利均等払いは利息が先行するぶん同じ利率であっても元金均等払いよりも利息負担は若干多い。

★d.元利均等払いの場合、利息の支払が先行するため借入金がなかなか減っていかない。リストラが進み終身雇用制度が崩れつつある現在、住宅ローンが払い続けられるとは限らない。貸す側からすれば返してもらうよりも安定的に利息を払い続けてくれる方がよかったのが返済能力に安定感を欠いてくると元金の回収に躍起となってくる。

★e.たくさん貸せば利息もたくさん稼げるが、元金が回収不能になってしまっては元も子もない。つまりハイリスク・ハイリターンであり、当然税金も多くかかる。 

★f.元金の回収をすすめようとすれば繰り上げ返済ということになるが、そう簡単には応じてもらえない。また、それでは金融という事業目的を果たしたことにならない。

★g.とはいうものの、返済期間が長期にわたれば収益は上がっても元金の回収が進まず貸し倒れのリスクと隣り合わせにある。また、返済能力に不安があっても貸さざるをえない場合どうするか。そこで考えついたのが利率を変えることによって元金の回収を早めようという提案である。

★h.具体的には別紙借入金返済計画表Aのような提案である。借入金300万円を25年、300回の元利均等払い。最初の5年間は年1%という超低金利率。次の5年間は5%、その次の5年間は10%、残り10年間は利息制限法上限の15%の金利率で元利均等返済をするというものである。この場合の1回の元利返済額は17,470円。比較のため、隣に表示した借入金返済計画表B(金利率5%一律、ほかの条件はAと同じ)の元利返済額は17,538円。ほぼ同額である。支払利息合計はA:2,241,792円、B:2,261,139円、その差は19,347円である。なお、Aの平均利率は4.957%となる。

★i.Aは元金の3分の1を69回目(5年9カ月目)の返済で回収、同じくBは145回目(12年1カ月目)の返済で回収となる。2分の1の回収は、Aは119回目(9年11カ月目)、Bは195回目(16年3カ月目)である。3分の1の回収は、Aは199回目(16年7カ月目)、Bは235回目(19年7カ月目)である。
貸す立場からみるとAは最初の5年間は受取利息が少ないというデメリットがあるが元金の回収が進むというメリットがある。Bは受取利息が多いというメリットがある反面、回収が進まない元金の貸し倒れの危険がある。節税は利益の繰り延べという観点からすればAのような貸し出しの方が有利である。

元利均等払いの住宅ローンの利用者にしてみれば、総支払額が同じであれば元金と利息の内訳などはどっちでもよいことで途中に利率変更があっても気にもならない。

★j.ただし,Aは最初の利息を低く抑えてあるために途中で繰り上げ返済をされてしまうと収益があがらなくなる(あげそこなう)可能性が高い。そこで、リース取引の途中解約の場合の違約金のような仕組みをつくっておかないと「お人好しの金貸し」になってしまう。例えば、Aの返済8年目(96回目)に繰り上げ返済が行われたような場合、通常の返済であれば残っている元金B:2,406,804円と繰り上げ返済元金A:1,738,082円との差額668,722円の9割ぐらいをペナルティとするのである(1割カットに特別な根拠があるわけではないが、それぐらいの値引きはあってもよいと私は思います)。

★k.もっとも、途中で貸し倒れになることもある。そういう場合には違約金免責の条項をつけておく。元金がとれないところに違約金を要求しても貸し倒れが増えるだけである。税務上は、違約金を請求するということは未収入金として計上することになるから、その所得に対して税金がかかるということになる。

★l.金融という事業は預金者から余っているわずかなお金をかき集めてまとまったお金にして資金が必要な事業者に貸し、見返りに利息を受け取って預金者に還元をするという仕事である。事業開始から大儲け、というのはきわめて稀でたいていの商売が赤字スタートである。儲からない間は金利を低く抑え、事業が軌道にのって儲かるようになったら、それまで抑えられていた分まで上乗せして金利をもらう、そんな金融機関ができてほしいものである。

★m.別紙借入金返済計画表はTKCのMASプログラムを使って作成した。利率の変更が4段階までしかで
 きないため、きめ細かい利率変更をしていないが考え方の一端はご理解いただけたのではないだろうか。

体.赤峰勝人「ニンジンから宇宙へ」(1996.11.1第1版、1997.8.23第2版第4刷発行:・スパイク刊)

★a.自然に育まれた食べ物(植物)の表面には必ず分解酵素がついている。だから、熟した柿が地面に落ちると分解されて朽ちていき、土に帰っていく。しかし、ビニールやプラスチックなど化学合成されたものは分解酵素がないのでいつまでも朽ちずに残る。食品添加物や残留農薬など化学合成されたもの(毒素)が体内にはいると分解されずに体内に蓄積される。毒素を皮膚から体外に出そうとしているのがアトピー性皮膚炎。毒素を体の外に出す、ということは自然治癒力がきちんと機能しているということで、実はこれはありがたいことなのです。外に出ずに中にたまると喘息や気管支炎として現れたり、毒素をぎゅっと固めてガンになったりする。(p151,176-178)だから、アトピーの人はガンにはなりにくいとも言える。

★b.危篤状態の人につかうと息を吹き返すと言われるリンゲル氏液は1パ-セントの生理的食塩水で、物資のなかった戦時中は薄めた海水を使って間に合わせたこともあったという。しかし、純度の高い塩化ナトリウムによる液では人体に害があるという。また、家畜に充分に塩分を与えないと、子を生まない。ただし塩化ナトリウム99%の精製塩は飼料としては不適当で精製塩を与えると発育不良をおこしたり、短命に終わったりするという。塩のとりすぎは高血圧になるから良くないという減塩思想が蔓延しているが、その原因となる塩は精製された化学塩(塩化ナトリウム)である。自然塩と化学塩を水に溶かしてみると化学塩の方は溶けずに残る塩がある。自然塩は水に溶けるので余分な塩分が尿と一緒に体外に出される。水が足りなければ喉の渇きというかたちで身体から要求がある。化学塩は体内で溶けきれずに蓄まって結石となり、人体に害を及ぼす。

★c.現代病の多くが(自然)塩切れから起こっており、老人病や成人病のほとんどが自然塩をたくさん摂ることで治っていく。塩切れの代表に夏バテがある。汗と一緒に塩分が体外に出ていく。体内の塩分が不足すると元気がなくなる。ナトリウムイオンには体内の毒素とくっついて汗や尿として外に出す働きがあるが塩分が不足するとそういう体の代謝もうまくいかなくなるので体がだるくなる。心臓、肝臓、腎臓の働きが悪くなり、血液の浄化がうまくいかなくなって体内に余分な水分と毒素が蓄まって体がむくんだりする。立ちくらみ、めまい、心臓の発作や不整脈、低血圧、高血圧になったりする。また、塩分が不足すると体内の筋肉という筋肉がゆるんでしまうために力が入らず、骨格が支えられなくなり、骨盤のズレが起きて腰痛や肩こり、偏頭痛の原因になったりする。胃腸の働きも弱くなり食欲もなくなってくる。

★d.赤峰氏のところ(なずな農園)にはいろいろな病気の人がくる。氏は高血圧の人にも低血圧の人にも濃い味噌汁や漬物、玄米飯にごま塩をたっぷりかけて食べることを勧める。すると、高血圧は急激に下がって正常値になり、低血圧も上昇して正常値を保つようになるという。

★e.自然塩は味噌や醤油、漬物など、発酵した塩の形で摂った方が吸収も良く効果も高い(第2章 塩の話)。YTAメモその9で一倉定氏の「正食の原理」のコラムを資料としてつけたことがあります。漠然とと精製塩は良くないと印象はもっていましたが、赤峰氏の講演を聞き著書を読むまで自然塩は摂りすぎても大丈夫(化学塩と違い余分な塩分は体外に出てしまう)などとは思えませんでした。今回このメモをまとめながら「減塩意識」の刷り込み(こだわり)の強さに我ながら驚いています。ちなみに一倉氏の「正食の原理」は日本の伝統料理を基本に自然塩にこだわり続けるところに特色がある。